月刊福祉(2025年3月号)
成年後見制度の見直しの議論がすすんでいますが、その方向性は、後見の範囲や期間を縮小し柔軟なものにすることです。地域では、社会福祉協議会が日常生活自立支援事業等を通じて意思決定に課題のある人を支え、権利擁護の中核機関も整備されつつありますが、後見の範囲や期間の縮小、認知症や身寄りのない高齢者の増加、障害者の地域移行の推進等もあり、地域に権利擁護支援が必要な人はさらに増えていきます。この先の状況を見据えて必要な見直しを提起します。
成年後見制度の見直しがめざすもの
早稲田大学大学院法務研究科 教授 山野目 章夫
▼論点Ⅰ
法廷後見制度の新しい姿とその課題
弁護士、立川市社会福祉協議会地域あんしんセンターたちかわ 運営委員長 赤沼 康弘
▼論点Ⅱ
人生の最期まで自分らしく尊重される地域づくり
大川市福祉事務所 次長兼地域福祉係長 石山 裕子
▼論点Ⅲ
成年後見制度の見直しにともなう課題と対応の検討
―日常生活自立支援事業のあり方を中心として
社会福祉法人松江市社会福祉協議会 松江市権利擁護推進センター
▼論点Ⅳ
権利擁護の中核機関の拡充
社会福祉法人横浜市社会福祉協議会 横浜生活あんしんセンター担当課長 多田 政孝
▼論点Ⅴ
中核機関における司法関係者との連携と課題
特定非営利活動法人尾張東部権利擁護支援センター センター長 住田 敦子
▼論点Ⅵ
障害のある人の意思決定支援の充実
東洋英和女学院大学 名誉教授 石渡 和実
▼論点Ⅶ
成年後見制度の見直し後における市民後見人の活動・活躍とその支援
成年後見センター・リーガルサポート 副理事長、司法書士 西川 浩之
【グラフ21】
SDGsに向き合い、福祉課題の解決につなぐ
長崎県/社会福祉法人悠久会
【ウオッチング2025】
組織で志を分かち合い共感の渦をつくり世の中を変える
京都先端科学大学 教授、一橋ビジネススクール 客員教授 名和 高司さん
創刊1909(明治42)年。100年を超える伝統と歴史――
『月刊福祉』は、最新の福祉政策・動向をお届けする信頼と実績の福祉の総合誌です。
― 変化する社会保障・社会福祉制度の動向や課題を整理
― 多様な福祉課題への対応を、実践事例を交えながら多角的に紹介
― 福祉関係者はもちろん、福祉の今を知りたい方々にもお読みいただきたい1冊【注目の連載】
▼実践マネジメント講座
社会福祉法人・福祉施設の経営面の課題にフォーカスし、毎年度、その時に合わせたテーマを設定しています。2025年度は、「ハラスメント」「施設の建替・改修」「フレームワーク」をとりあげます。
▼福祉の職場のコミュニケーション
年齢や職業経験等が異なる多様な人が働き、人材確保・定着が課題の福祉の職場で、人間関係の悩みによるサービスの質の低下や離職を防ぎ、組織運営を円滑にするためのヒントを提供します。
▼知っておきたい福祉の基礎知識
福祉の主要な制度や仕組み、支援技術や対象、機関等に関するテーマを取り上げていきます。新任者にとっては学びの入口となり、経験者にとっては忘れてはいけない基本事項を改めて確認できるコーナーです。
▼ありのままの自分を―当事者の思い
さまざまな当事者の想いや日々の暮らしの状況について、本人や寄り添う身近な人の視点から語り、当事者への理解を深めます。
≪このような方におすすめします≫
●今、知っておきたいテーマを第一線の学識者や実践者の解説から学びたい方
●今の福祉を多角的な視点から押さえて経営・運営に活かしたい社会福祉法人・福祉施設の経営管理者の方、この先の組織の中核を担っていく方
●社会福祉を研究する方、社会福祉を学ぶ学生の方、福祉の最前線で活躍する法人・施設職員の方
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特集一覧
- 2025年2月号 特集 地域で活躍する人、福祉への参加を広げよう
- 2025年1月号 特集 地域共生社会とこれからの社会福祉
- 2024年12月号 特集 更生保護と地域福祉をつなぐ
- 2024年11月号 特集 居住支援を広げるために
- 2024年10月号特集 合理的配慮でまちを豊かに ―ユニバーサルツーリズムが拓く地域の未来
- 2024年9月号特集 災害時支援の今とこれから―能登半島地震での対応から見えたもの
- 2024年8月号特集 施設の整備・再生産を考える
- 2024年7月号特集 認知症とともに
- 2024年6月号特集 身寄りのない人を地域で支える
- 2024年5月号特集 真に子どもの声を聴く、その先にある社会
- 2024年4月号特集 報酬改定から見通すこれからの社会保障
- 2024年3月号特集 「共に生きる力」を育む
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